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総務省が最新の空き家率を発表

総務省統計局では、5年に一度「住宅・土地統計調査」がおこなわれます。この調査は、主に全国の空き家の状況を把握するためのものです。直近の調査は、昨年2018年。先日、調査結果の速報値が公表されました。

空き家率は過去最高の13.6%

(出典:総務省統計局)

全住宅数に対する空き家数の比率を示した数値を、「空き家率」といいます。日本の空き家率は年々上昇していますが、昨年の調査では13.6%と過去最高になりました。日本中にある住宅の7軒に1軒は、人が住まない空き家だということです。空き家問題は、空き家率の高さだけが問題ではありません。管理不行き届きの空き家の増加や、マンション空き家の増加により管理に支障をきたすマンションの増加などもまた、大きな問題となっています。

空き家率は山梨県が最も高く、埼玉県が最も低い

都道府県別でみてみると、日本各地で空き家率には大きな違いがあることがわかります。

(出典:総務省統計局)

空き家率が最も高いのは、21.3%の山梨県。甲信、四国地方は、全体的に空き家率が高い傾向にあります。一方、空き家率が最も低いのは、10.2%の埼玉県。山梨県の半分以下の空き家率です。次いで沖縄、東京、神奈川となっており、これらの地域は5年前の調査と比べて空き家率が低くなっているのも特徴です。

「その他の空き家」の割合が上昇

空き家の中には、「賃貸用」「売却中」「別荘などの二次利用」などの空き家も含まれています。そのどれにも該当しないのが、「その他の空き家」です。つまり現時点で活用されておらず、今後も活用される見込がない空き家が、「その他の空き家」に分類されます。今回の調査では、「その他の空き家」の割合の上昇が顕著に表れています。

「その他の空き家」の問題点は、管理が疎かになってしまう傾向が強いこと。管理不行き届きの空き家は周囲に危害を及ぼす可能性があるだけではなく、所有者にとっても大きな負担になります。平成27年に施行された空き家対策特別措置法によって、管理不行き届きの空き家は固定資産税の増税や過料(罰金)、強制撤去などの処分が言い渡される可能性が出てきています。

都市部に多いのはマンション空き家

関東圏や愛知、福岡、京都などの空き家率は低い傾向にありますが、都市部に多いのがマンションの空き家です。

賃貸住宅を含めた共同住宅の空き家が多いと問題になるのは、管理。住人が高齢化したり、所有者が特定できなくなったりするマンションは、管理組合が機能しなくなり、マンションのスラム化にもつながりかねません。住人の同意が取れずに、取り壊しも、建て直しも、売却もできない身動きの取れないマンションは、今後増加していくことが予想されます。

空き家所有者が今できることとは?

人口と世帯数の減少、超高齢化社会が加速する日本において、空き家率はこれからどんどん上昇していくでしょう。住宅の需要と供給のバランスが崩れれば、「タダでも売れない家」や、むしろマイナスの資産ともいえる「負動産」は増加し、空き家への法規制がより強くなることも予想されるのです。

空き家の適正な管理がもとめられる

空き家所有者がまずしなければならないのは、適正な管理。人が生活しなくなった空き家は、予想以上に早く劣化が進みます。重要なのは、定期的な換気や清掃、草木の剪定によって空き家の劣化を防ぎ、衛生面や防犯性などを低下させないことです。

先述通り、空き家対策特別措置法の施行により空き家所有者への風たりは確実に強くなっています。指導の対象とならないためにも、状況によっては管理業者へ委託するなど徹底した管理がもとめられます。

空き家の活用、売却を考える

空き家が空き家となってしまうのは、「使わない」からです。空き家を活用することができれば、空き家は空き家ではなくなります。空き家の活用方法としては、次のようなことが考えられます。

  • 賃貸住宅として貸し出す(長期間貸出)
  • 民泊として貸し出す(短期間貸出)
  • 更地にして土地活用

 

 

ただし貸し出すとしても必ずしも賃貸需要があるわけではなく、「その他の空き家」が「賃貸用の空き家」に変わるだけということも十分考えられます。やはり空き家の管理や継続的にかかる固定資産税などの負担から脱却するには、手放すことが最も有効的な方法です。空き家の売却需要は決して高くはないものの、売却できる可能性は今後さらに減っていくことも考えていかなければなりません。